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抜かない 削らない 治療について その1 

今回は少し長くなりそうなので何回かに分けて書きたいと思います。

抜かない、削らない治療という言葉をよく目にします。

これは実際のところどういう治療なのかということを
いち歯科医師としてお話しします。

まず削らない治療についてお話しします。
ところで、虫歯の治療とはなんなのでしょうか。
一般的に指す虫歯治療とは、そのまま放っておくとさらに
虫歯が進行し悪化してしまう可能性が高い歯を何らかの方法でとめて
そして虫歯によってできてしまっている欠損部位(穴や欠け)を
何らかの方法で埋める事です。

その一般的な治療方法として挙げられるのは、感染している
歯の部分(歯質)を機械で動くドリルで削り取り
そして空いた穴を金属や樹脂、もしくはセラミックで埋めて
痛まないように、再び問題なく咬めるように仕上げるということです。

ここで削り取るという言葉が出てきました。
削らない治療とは、この感染歯質を文字通り
ドリルを使って削らずに取り除くことを指す・・・場合と
削る量を可能な限り最小限にする(つまりドリルを使って削ってはいる)
治療を指す場合があることが多いです。

前者は主にカリソルブという薬剤を使い、ドリルを使わなくても
よいくらい感染歯質を柔らかくして専用の器具で取り除く治療です。

一方後者は、様々な方法で健全な歯質をなるべく損ねることなく
感染歯質を削り取る治療になります。
そもそも、削らない治療という言葉が出てくる背景には
かつての治療法が削る治療であったということが挙げられます。
それに比べて削らない治療。という意味ですね。

前者と後者はどちらも、取り除く歯質の量は少ないですので
歯に対する負担が抑えられるという意味では同じ治療になります。
そして、空いた穴に何らかを補填して治療を完了する点も同じです。
しかし、患者さんからしてみれば削らない=ドリルを使わない
ということを指す方が多いかと思いますので
後者はなんだか釈然としないものがありますね。ちなみに治療法としても
優劣はなくどちらも優れた歯科医師の能力によって行われる治療です。
強いてあげればカリソルブ治療は自費診療のみであること
後者の治療は保険診療でも可能ことが多いということです。

削らない治療とは
歯の質を全く取り除くことなく治療を終える という意味ではない
のでそこは注意が必要です。
しかし、虫歯治療とは必ず感染歯質を取り除かないといけないのでしょうか。
これについては次回お話しさせていただきます。

当院では、なるべく歯を削らない治療を行っております。
どうぞお気軽にご相談ください。

金沢シーサイド歯科
院長 笹本忠資

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