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歯を残す治療、歯を抜かない治療その2
きちんと残すのが難しい歯とは
前回は歯を残す、抜かない治療についての保険診療内での実際についてお話ししました。
では、そもそもどのような歯が保険適応外の治療であっても、抜かないで治療することが
難しい歯なのでしょうか。まず、虫歯が原因であるものを挙げてみます。
・虫歯が進行しすぎており、汚染された歯質を取り切った場合歯の内側に穴が開く。
穴の開く位置が深ければ深いほど、きちんと残すのは難しくなります。
・虫歯が内部に進行しすぎており、汚染された歯質を取り切った場合に穴は開かなくても
歯質の壁が薄くなりすぎてしまっている。負荷がかかるとすぐに割れたり、折れてしまう
可能性が高いです。
・虫歯が進行しすぎており、汚染された歯質を取り除いたら歯が短くなりすぎてしまった。
歯は普段見えている頭の部分の下に根本の部分が杭のように骨、歯ぐきに突き刺さっており
その深さは20歳くらいで一般的な方ですと頭の長さの2~3倍くらいになります。
虫歯が深く進行しすぎてこの根の部分があまりに無くなってしまうと咬む力に耐えられなく
なってしまいます。
おおよそ、こんな理由になります。
つまり、虫歯が進行しすぎると、補う必要がある無くなった部分より
残っている歯の部分の方が少なくなりすぎてしまうため、安定して使うことが
出来なくなってしまうのです。
ちなみに、上記の状態になった場合、保険診療内ではきちんと長期的に安定させる
治療を行うことは残念ながらできません。保険適用外の治療を用いたとしても
きちんと残せるかは厳密な診査診断を行った上での判断が必要です。
虫歯は放っておいて治ることは絶対にありません。早く処置をすればするほど
保険診療内であったとしても比較的安定した治療を行うことができ
遅くなればなるほど、たとえ保険適用外の治療を用いたとしても
長期安定を望める確率は低くなってしまうのです。
保険適用外の治療で安定して歯を残す方法
虫歯が深い歯を安定して残すためにはいくつかの要件をクリアーする必要があります。
1・きちんと汚染された歯質を取り切る。
2・内部で虫歯が進行しないように厳密な消毒を行う。(根管治療と言います)
3・咬める状態を作る、かぶせ物(最終補綴物と言います)が正確に歯と接着するよう
歯の位置を整える。(歯の挺出術、クラウンレングスリング(歯冠延長術)といいます)
1の項目は保険診療内でも可能です。2と3の項目は保険適用外の治療法が必要となります。
詳しい術式をこちらで説明するのは大変難しいですので、もし詳しくご相談されたい場合は
お気軽に当院までお越しください。
次回は虫歯や歯周病ではないけれど、歯を安定して残すことが
難しい状態についてお話しします。
金沢シーサイド歯科
院長