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歯の一生についてその1

歯の破折について

前回、歯が折れてしまった―特に歯根側にまで及ぶ破折が起こってしまった場合
きちんとした治療となると、歯を抜くことになってしまうことが多いとお話ししました。

では、なぜ歯の破折、特に歯根にまで及ぶ破折が起こってしまうのでしょうか。

 

歯の一生とは

ところで、歯の一生とはどういうものでしょうか。
まず、大人の歯―永久歯は6歳ごろから生え始めます。それは新しく生えたり(第1、第2大臼歯)
生え変わったりして、13歳ごろには親知らずを除く歯が生えそろいます(個人差はあり、近年のお子様では15歳、16歳くらいまで生えそろわないこともあります)。親知らずは、20歳前後に存在を主張し始め、この生え方によっては抜いたほうが良かったり、そっとしておいてよかったりと、患者様、歯科医師を悩ませる要因となるのですが、これに関してはまたの機会に詳しくお話ししたいと思います。

その後、長い年月を経て、だんだんと歯は壊れていきます。と言いますのも、歯は基本的に再生する組織ではないため、どんどんとすり減っていくのです。一番すり減る原因となるのは、歯ぎしり食いしばりなのですが、これについてもまたの機会に詳しくお話いたします。

そして、どんどんすり減ったり、亀裂が入った結果ある日突然、大きくかけたり割れたりします。この際に縦方向、つまり歯根側に大きく割れてしまった場合に治療不可となり抜歯になる―歯の一生を終えることになります。これが、患者様が亡くなるまで起こらなかった場合、歯の一生と患者様の一生が等しかったという事になるのです。

つまり、歯は使えば使うほど―特に歯ぎしり食いしばりなどの負担を受ければ受けるほど、壊れていき、患者様の一生より早く歯の寿命を迎えることになる可能性が高くなります。この使えば使うほどというのは、普段私たちが食べる物では基本的には消耗しません。どう見積もっても歯より硬い食べ物は存在しないからです。歯がすり減ったり亀裂が入るくらい硬いものが当たる機会―つまり、自分の歯同士が当たることによって歯はだんだんと消耗していくのです。そのほか、歯が消耗する要因として経年劣化が挙げられます。冷たい熱いを繰り返すことによって、膨張収縮を繰り返し、それが亀裂、劣化する一因になります。お口の中はとても過酷な環境なのです。

まとめますと

歯は生えてから再生しないため、いろんな過酷な環境にさらされ続けることによってだんだんと消耗していき、場合によっては患者様が一生を終える前に歯が先に寿命を迎えてしまうことがある。

これが歯の一生の基本的な流れになります。

長くなってしまいましたので、続きは次回にいたします。
少なくない患者様で、何本かの歯が先に寿命を迎えることも多いと思います(これは歯周病や虫歯以外のことです)。
これはなぜでしょうか。ここに歯科治療がとても大きく関連してくるのです。

 

金沢シーサイド歯科
院長

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