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歯の一生についてその2

前回の続きとなります。

 

歯の寿命を縮めることとは

どういうことが歯の寿命を縮める要因となるでしょうか。

ご飯を食べる行為は少しずつ歯の寿命を縮めます。どんなものも使えば劣化していくのでこれは至極当然のことだと思います。しかし、前回も申しました通り、歯より硬い食べ物は基本的に存在しません。誤って砂を噛んでしまったなどの例外を除いて、すべての食べ物―梅干しの種ですら歯より柔らかいものになります。

そして、哺乳類の咬合は実に高度な機構を備えており、食べ物を介して咀嚼(もぐもぐと食べることです)している時はほぼ自分の歯同士は接触しないようになっております。ご飯を食べているとき、カチカチと自分の歯同士が当たる音はしませんよね?(意識して行った場合はこの限りではありません)食べ物を噛んでいる圧力が無くなったと歯のセンサーが感じた瞬間に咬む力を緩め逆に歯が離れるように力の向きを入れ変えているのです。これはすべて反射的に行っており、普段私たちは意識せずに行えています。

つまり、ご飯を食べる行為は目立って歯を消耗する要因にはなりません。

歯ぎしり食いしばりは歯の寿命を縮めるそれなりに大きな要因になります。
歯ぎしり食いしばりとは主に寝てる最中に行われますが、これは実は普段ご飯を食べるときに入れる力の2~3倍の強さで行われることが多いようです。それだけ強い力で、しかも食べ物より硬いもの同士(自分の歯ですね)がこすり合わされるのですから、それだけ歯も消耗していきます。この辺りの詳しいお話はまたの機会にしたいと思います。

歯ぎしり食いしばりは歯をそれなりに消耗させる要因になります。

 

そのほか、何が歯を消耗させる原因になるでしょうか。
実は一番歯を消耗させるのは歯科治療になります。虫歯を削る―つまり強制的に消耗させているわけです。そして、空いた穴に補修するものを詰めるわけですが、補修物は歯に比べて弱かったり、そもそも材質も違うため歯と同じ挙動をすることが困難です。

なので、歯科治療とはすればするほど、歯の寿命を縮めます。とはいえ、放っておけば今度は虫歯によって歯の寿命を迎えてしまいます。

つまり、虫歯によって早期に歯の寿命を迎えることを防ぐために、少し寿命を縮めながらも虫歯治療を行う。という事なのです。

 

不必要な虫歯治療

以上のことから虫歯の治療とは、なるべく最小限に、しかし過不足なく、そして一生を通して治療を行う回数を少なくした方が良いという事になります。そして、残念ながら虫歯治療とは一生保つものではありません。どんなに精密でその時点で完璧と思われる治療を行ったとしても必ずどこかで再治療が必要となります。

しかし、一生を通しての治療回数を減らすために、より精密で正確で的確な治療は大切です。そして、それらは保険適用外の治療になることが多いです。保険治療が悪いとは言いませんが、どうしても限界もあるのです。

 

今回はここまでとなります。次回はもう少し詳しく歯科治療が歯の寿命を縮める要因になる
理由と、歯の破折についての関連についてお話したいと思います。

 

金沢シーサイド歯科
院長

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