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歯周病になる要因、悪くする要因1

歯周病はとても難しい病気です。なぜなら、患者様ごとに経過が全く異なったり症状の大小も違ったり、そして、同じ治療をしても結果が異なったりするからです。

これは患者様ごとに様々な要因があり、それらを総合して歯周病としての病態があり、それ故に異なる要因によって下された診断は同じ歯周病という病気であっても、もはや違う病気に見えるくらい症状が異なっていることもあるのです。

今日は歯周病における様々な要因についてお話ししようと思います。

歯周病になる要因と悪くする要因

歯周病の要因と言っても本当に様々です。その中で明確に分かっていることを挙げると、歯周病には

・歯周病になる要因
・歯
周病になるわけではないが、悪化させる要因

があります。歯周病になる要因というのも1つあればなるのではなく複数要因が組み合わさることでだんだんと歯周病といわれる状態になっていきます。

一方、歯周病になってしまった、歯周病と診断がついてしまっている患者さんにおいて、歯周病の進行を速めてしまう要因、つまり、歯周病を悪化させる要因というものがあります。歯周病増悪因子言とわれることもあります。こちらは、たとえ歯周病と診断がついていない患者さんにあったとしても、歯周病になる因子ではありませんので、特に問題ないことも多いです。

ところで、お口の中がどうなると歯周病という診断がつくのでしょうか。

歯周病は大きく分けて2種類あります。

歯肉炎と歯周炎です。

一文字違うだけなのですが、重症度は全く違います。簡単に言えば、歯肉炎は歯ぐきが腫れている状態です。これは患者様ご自身では全く自覚なく、歯科で検査をすることで腫れを検知するレベルも含まれます。これを歯周病として扱うと実に成人されている方の8割以上は歯周病に罹患しているというデータが出来上がります。しかし、この歯ぐきが腫れている状態は基本的に元に戻せます。もちろん、以前お話しした通り、きちんとしたメンテナンスを行っていかないと再び腫れている状態、つまり歯周病になってしまいます。ですが、基本的には軽症であり、歯肉炎で済んでいる限りは歯周病はそこまで怖い病気ではありません

それに対して歯周炎。これはとても危険な状態です。一言で言えば、歯周炎は歯肉炎がさらに進行して、歯を支える骨が溶け始めてしまった状態です。歯ぐきの腫れは元に戻せるのですが、溶けた骨は元に戻せません歯周再生療法と言って溶けた骨を再生させる手術によって見かけは元に戻すことはできることもあるのですが、実際に組織を顕微鏡レベルで確認してみると以前とは違う組織像になっています。そしてこれは以前の状態に比べれば大変弱く脆い状態なため、少しでも油断するとすぐにまた溶けた状態に戻ってしまうのです。

つまり、歯周炎になると

いかなることをしても、元の状態には戻せないのです。

歯肉炎から歯周炎に移行する速度はやはり患者様ごとに違います。いくつの要因―因子が関わっているかで歯周病の進行速度が変わってくるのです。

歯肉炎の患者様は歯周病増悪因子が増える事によって歯周炎に移行する速度はどんどん早くなりますし、歯周炎の患者様はどんどん歯を支える骨が溶けていきます。そういう意味では、歯周病を悪化させる要因もなるべく少ないほうが良いと考えられます。

次回はこの要因にはどんなものがあるのかを列挙したいと思います。

金沢シーサイド歯科
院長

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