ブログ SEASIDE BLOG

カテゴリー:

医院ブログ

歯周病になる要因、悪くする要因2

更新の間が空いてしまいました。
前回の続きになります。

前回は歯周病は様々な要因によって患者様ごとに進行の度合いが全く違うというお話をしました。では、この要因とはどんなものがあるのか今回はお話ししていきます。

 

歯周病になる要因

・プラーク
実は、歯周病になる要因というのは2つしかありません。そのうちの一つがこれです。プラークとは歯垢、歯の表面に付着している菌の塊を指します。プラークには虫歯にする菌が多いものと、歯周病を発症させる菌が多い物と大まかに分けて2種類あります。前者は主に酸を作る菌であり、プラークの内部に非常にPHの低い酸を留まらせるため、歯が溶けて虫歯が進行します

一方、歯周病を発症させる菌が多いプラークは、酸を作る菌は少ない代わりにLPSという内毒素を作り出す菌が多く存在します。このLPSが人体に作用することによって、体の作用機序によって歯を支える骨が溶けていきます。作用機序とはその反応自体は体の正常な反応になります。

つまり、歯周病は菌が原因ではありますが
進行自体は体の正常な反応によるものなのです。

正常な反応なので、骨が溶けること自体はほとんど痛みがありません。つまり歯周病の進行に痛みを伴わないという事です。たまに腫れてくる患者様がいらっしゃるのは、口腔内に存在する日和見菌(体が弱ったりすると悪さをする菌)が活発になるためです。もしこの菌がいなければ、おそらく歯周病はほとんど痛みを伴わず進行し、まるで子供の歯が抜けるかの如く気づいたらするっと抜ける病気であったと思われます。

・歯石
2つめは歯石です。歯石はプラークに唾液や血液の中にあるカルシウムが堆積して形成されます。つまり、歯石も菌の住処であり、固くこびりついているため取り除くのは容易ではありません。とくに、歯石には歯肉縁上歯石と、歯肉縁下歯石があり、目で見える歯肉縁上歯石はそこまで問題が無いことも多いのですが、歯肉縁下歯石は重要度が跳ね上がります。ここに歯周病になる菌、LPSを産生する菌が多数存在しているからです。プラークと歯肉縁下歯石、どちらの方が歯周病菌が多いかというと圧倒的に歯肉縁下歯石のため、これをいかに取り除くかが歯周病治療のメインテーマになるのです。

ほかの要因はすべて歯周病を悪くするものになります。

長くなりますので、歯周病を悪くする要因は次回に書きたいと思います。

金沢シーサイド歯科
院長

歯周病になる要因、悪くする要因1

ページトップへ