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歯周病の治療その3

前回の続きになります。

歯周病の根本的な治療法

歯周病の治療は薬の力だけでは全く不十分であることを前回お話ししました。歯周病の菌は、歯に潜んでおり、堅牢なバリアーによって守られている―なので物理的に取り除くことがとても重要にという事です。

古今東西、治療において完治という言葉を使うときは、原因の完全除去を指します。なので、歯についた菌をこそぎ取っていく―まさに物理的に除去するのが、歯周病の最も重要でそして唯一無二の治療になります。こそぎ取る方法は様々です。超音波の振動(超音波スケーラーと言います)を使ったり、鋭利な除去用の刃物(手用スケーラーと言います)を使ったり、レーザー光線を使ったり。

こそぎ取るときの環境もいくつかあります。基本的に歯周病を進行させる原因となる菌の塊は歯茎の中、見えない位置にある歯の根についています。これを

手探りで取り除くか=SRP(スケーリングルートプレーニングと言います)この際麻酔をしなければならないレベルで深い位置の塊にアプローチするか、しないか

見える状態にして取り除くか
どう頑張っても手探りでは限界がある位置の菌塊を、歯茎を切り開き、骨から生えている歯をしっかり見える状態にし、しっかり菌塊を確認しながら取り除く手術―FOP(フラップオペレーションと言います)

 

手術の方法も様々です。

・可能な限り歯についている菌塊を明視野(よく見える状態ということ)で取り除く基本的な手術

・歯周病によって壊されてしまった骨を再生する手術(これ自体の方法も様々ですが今回は割愛します)

・歯肉が下がってしまって(上の歯だと、上がってしまって)歯が伸びて見えるのを緩和させたり、整えたりする手術

・弱い歯茎が歯の周りを覆ってしまい、痛くて歯磨きができないのと整える手術

すべては、可能な限り歯周病の原因菌を取り除くために行う事です。薬の力を借りることもあるのですが、メインとなるのは物理的に取り除くことになります。

ですが。

目に見えない細菌を物理的に完璧に取り除くなんてできるの?

こんな疑問が湧くかもしれません。

答えはノーになります。
目に見えない以上、絶対に取り残しはあります。

上で病気の完治とは原因の完全除去と言っている。歯周病はそれができない

しかし、完治はする

言っていることが矛盾していますね。実は歯科の分野において、実は虫歯治療も含めてなのですが、特に歯周病の分野において、完治という言葉は一定の要件を満たしている場合に使われます。

歯周病は完治する病気です(一定要件を満たした状態で)
となるのです。

次回はこの辺りについて詳しくお話ししたいと思います。

 

金沢シーサイド歯科
院長

歯周病の治療その1

歯周病の治療その2

 

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