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歯周病になる要因、悪くする要因4

また時間が空いてしまいました。続きになります。

前回は歯や歯肉、骨に負担をかけるため歯周病を悪くする要因について書きました。
今回は口腔環境を悪化させるために歯周病を悪くする要因について書いていきます。

口腔環境を悪化させるために歯周病を悪くする要因

口腔環境を悪化させるとはどういう意味でしょうか。私たちのお口の中は常に濡れています。唾液によって湿潤状態が維持され、特に起きている間は唾液によって絶えず口腔内は洗い流されています。これによって菌が少しでも定位置に存在する時間を短くすることで、プラーク(菌の塊ですね)が堆積することを防いでおります。

つまり、唾液が少なくなると口腔環境は悪くなります。

唾液が少なくなる病気があります。代表的なものはシェーグレン症候群と言われる病気です。わかりやすい症状に目の乾燥や唾液の減少による口腔乾燥が挙げられます。
ちなみに健常者であっても、加齢とともに唾液腺(唾液を作って出す器官です)の機能が衰えるため、唾液の量は減少します。こういう理由からも歯周病は年齢が上がるにつれて悪化するのです。

 

その他に口腔環境を悪化させる要因は何でしょうか。例えば、唾液で洗い流しきれず、歯、そして歯と歯肉の間に菌の塊が張り付いてしまった場合に、体はほかに細菌を防御する手段を持ってはいないのでしょうか。

菌に対抗する細胞は白血球を代表とする免疫細胞になります。これらは主に血流に乗って菌の住処に運ばれ、そこで菌と戦うことで死がいが膿となります。つまり、歯ぐきが腫れて膿が出ている患者さんは、菌に対抗するために菌の周辺に血管を増やし、免疫細胞が集まりやすくなっているため、腫れているのです。もし、菌がたくさんいるのにもかかわらず、血管が増やせず、免疫細胞がうまく集まれなかったらどうなるのでしょうか。腫れることができない=見た目はそこまで悪くないが菌による汚染はとてつもなく進んでいる状態―つまり、口腔環境が悪化している状態になります。

血管が極端に収縮する物質があります。ニコチンです。また、血管を増やしたり、免疫細胞がうまく機能しなくなる物質もあります。これはタバコに含まれている様々な為害物質です。タバコはニコチンによる血管収縮作用と、為害物質による免疫機能の異常とダブルで口腔環境を悪化させます

タバコを吸うことで肺がんになる確率が5倍程度増えると言われていますが、たとえやめたとしても、長いと数十年にわたって非喫煙者(過去一度も吸ったことのない人)に比べると肺がんの発生率は高くなっているという研究結果があります。

しかし、口腔環境を悪化させる要因としてのタバコに関しては、止めた次の日から効果があります。嗜好品を止めろとは強く言えませんが、止めることによる恩恵は絶大です。

今回はここまでになります。
次回に続きます。

金沢シーサイド歯科
院長

歯周病になる要因、悪くする要因1

歯周病になる要因、悪くする要因2

歯周病になる要因、悪くする要因3

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