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歯周病になる要因、悪くする要因5
前回の続きです。
これまで最初に挙げた歯周病を悪くする3要因について2要因お話ししてしました。
今回は最後の要因についてお話いたします。
その前に。
歯周病の根本的な原因は、これまで何度かお話ししている通り、菌による感染になります。
つまり歯周病が進行しないようにするには
・お口の中の菌の数をなるべく減らす。
・感染に対して強いお口の中にする。
この辺りが重要になります。
先に後者からお話しします。感染に対して強いお口とは、個人差も非常にあるため難しい側面もあるのですが、体が丈夫な人=感染に対して強いお口をしている、と言って差支えはありません。元から体が弱い方は残念ながらこれに関しては不利なのです。ですが、体が弱る原因はいっぱいあります。不養生であればあるほど体は弱ります。健康的な食事、良質な睡眠、適度な運動、ストレスフリーな生活。いやー・・・僕自身もできているとは言い難いです。ですが、少しでも心掛けることは大切です。
お口の中の菌の数を減らす。これはどうでしょうか。丁寧な歯ブラシ。これが一番大切です。口の中の菌はちょっと放っておくとあっという間に増えていきます。その菌すべてが歯周病を進行させるわけではなく、むしろうまく菌を増やして歯周病の菌を減らすという考えもあるのですが(良質な口腔常在菌を増やす試み。またこれは別の機会にお話いたします。)それはそれとして、少しでも菌の数は少ないほうが良いのは間違いありません。そして最も菌の数を減らせるのが普段からの丁寧な口腔清掃なのです。
もちろん、定期的な歯科医院でのメンテナンスもとても重要です。こちらは1回で大幅に菌の数を減らすことができます。しかし、何もしないでいるとあっという間に元の数に戻ってしまいます。これを日々の口腔清掃によって菌の数がなるべく増えていかないように防ぎ、ある程度増えてきたところで、また定期メンテナンスで一気に数を減らす。これを繰り返すことで菌の数が少ないお口の中を維持するのです。
感染に対して弱くなるため歯周病を悪くする要因
以上をふまえた上で、この要因について考えてみます。そもそも体が弱れば、抵抗性が無くなれば、感染に対して弱くなるため、今までお話ししてきた要因も間接的にはこれに当てはまります。しかし、特に感染に対して弱くなる病気があります。
糖尿病です。
糖尿病は、易感染性疾患と言われ、すべての歯科医が非常に注意する病気になります。通常歯科医は、麻酔をして治療を行うわけですが、重度の糖尿病患者様ですとそれによってできた刺し傷でさえ問題になる場合があるのです。
それほどに糖尿病は感染に対して弱くなります。糖尿病の患者様はより一層の感染対策、つまり口腔清掃が重要になります。しかも、きちんと口腔清掃を行うことで、糖尿病が緩和する―ともすれば改善するという臨床研究報告も存在します。
丁寧な口腔清掃、定期的な歯科におけるメンテナンスは健康な体を保つうえでも非常に重要なファクターになりうるのです。
以上で一旦この話は終わりになります。また機会があれば繰り返しになることもあると思いますが、お話しする予定です。
次回は少し今回話題にした口腔常在菌についてお話しいたします。
金沢シーサイド歯科
院長